1964年の東京オリンピックを記念する文化事業として、翌1965年に東京都によって財団法人として設立されたオーケストラがこの東京都交響楽団です。略称は「都響」と呼ばれています。台東区上野の東京文化会館に本部が置かれ、その東京文化会館やサントリーホールなど東京都内での活動が中心のオーケストラです。

常任客演指揮者として世界各国から優秀な指揮者を招いていて、過去にはチェコのズデニェク・コシュラー、スイスのペーター・マーク、フランスのジャン・フルネなど多様な国の指揮者が東京都交響楽団で仕事をおこなっています。

楽団の特徴として、グスタフ・マーラーの作品を重要なレパートリーとしていて、マーラーの交響曲を連続全曲演奏をおこなう、いわゆる「マーラー・サイクル」を過去3回おこなっています。

エリアフ・インバル:マーラー「交響曲第7番 夜の歌」

そしてお勧めもやはりマーラーです。イスラエルの指揮者で現在楽団の桂冠指揮者である、エリアフ・インバルが指揮した交響曲第7番です。以前はさほど人気のない交響曲でしたが、無調音楽が完成に向かう近代音楽の枠組みの中で、再評価された作品でもあります。掴みづらく好き嫌いの分かれる音楽だと思いますが、楽器の音そのもの魅力を引き出す音楽でもあり、マーラーを得意とするインバルによってその魅力がふんだんに引き出されているといっていいでしょう。