正式には「公益財団法人新日本フィルハーモニー交響楽団」と呼ばれるオーケストラで、1972年に誕生しました。もともと前身である日本フィルハーモニー交響楽団が、運営会社であったフジテレビと文化放送の都合で解散することになり、当時そのオーケストラの首席指揮者だった小澤征爾と元団員で新しく設立したのが、この「新」日本フィルハーモニー交響楽団でした。当初は自主運営という形で始まったオーケストラなのです。

1997年東京都の自治体である墨田区とフランチャイズ契約を結び、同年その墨田区に完成したすみだトリフォニーホールを本拠地とすることになります。オーケストラの本格的なフランチャイズ契約は、日本で初めてのことでした。すみだトリフォニーホールでの定期公演会のほか、小中学校、または各種施設に訪問し音楽授業などをおこない、地元に密着した活動を幅広くおこなっています。

久石譲:World Dreams

新日本フィルは、アニメや映画音楽を数多く録音している楽団で、日本のサブカルチャーシーンにおいても大きな役割を担ってきました。そしてその流れから2004年に日本のアニメ・映画音楽の大家、久石譲と一緒に「新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ」というプロジェクトを立ち上げ、ジャンルにとらわれない世界中の音楽を演奏していくことになります。その活動の一環として残した録音がこの作品です。